一級建築士で古民家鑑定士の増田が、リフォームに関するあんなことやこんなこと、様々な疑問にお答えいたします。新しいご相談はこちらより募集していますので、お気軽にご相談ください。
※こちらのコーナーよりご相談いただいたものは、ホームページ上に公開させていただきます。個別のご質問はこちらよりお願いします。
リフォーム全般に関する相談
リフォームを考えたいのだけど、どうすればいいの?

専門的な視点から改善策を提案してもらえる業者を選んでください。
単にリフォームといってもこれまでの経験から実感していることは、内装や設備を新しくするだけのリフォームでは長く満足して住める家にはならない場合が多いということです。リフォームといえば、内装や設備を新しくすることに目が向きがちですが、それに加え、家の中の断熱をとって暖かくしたり、水廻りをまとめて使いやすくしたり、暗い部分や風通しの悪い部分を改善したり、耐震を考えて補強をすることなどなど、目に見えない部分のケアや専門的な改善点を検討することが大変重要です。
このようにリフォームと一言で云っても、いろいろ検討すべき点があるのですが、場合によってはリフォームすることだけにとどまらず、建て替えや増築といった考え方も含め検討しておく必要があるでしょう。
そうした専門的な視点から改善策を提案してもらえ、その中からお客様が選択することができるような業者を選び、ご相談されるのが良いのではないかと思います。
貴重な財産を有効にお使いいただき、長く満足して住まえる家にしていただきたいものです。
リフォーム業者にはどういったものがあるの?

家電量販店や内装業者など、様々な業者があります。
- ①設備業者・・・ユニットバスや、トイレ、キッチンなどの設備を替えることを主とし、一部、②も行います。家電量販店なども参入してきています。
- ②単体の専門業者・・・壁のクロス、床のフローリングなどを替える内装工事や、外壁の吹き替えなどをする外装工事、木工事や建具工事など全体的な改善が必要でない場合に適しています。
- ③リフォーム専門業者・・・①、②を合わせて手配できる業者
- ④リノベーション専門業者・・・機能の回復や耐震性、断熱性等の設計業務から行える業者で、専門的総合的に提案できる業者
新築で設計士が間取りや構造を考えるように、リフォームにおいてもリフォームの設計が必要だと思うのですが、リフォーム業界はそこまで成熟していない現状があります。
まだリノベーションを行う業者が少ないように思えますが、これからはお客様のためにも③④において専門的な検討をしなくてはならない規制が出来てくるに違いないと思います。(リノベーションに関する相談 参照)
業者はどのように選べばいいの?

まず、お客様のお住まいで、どういった不満があるかご家族で書き出してみてください。
そんな贅沢なことまで・・・と制限せずに、現状の何が何処がどのように満足できないのか、またはどんな部屋が家がいいのか・・・など思いのままの意見を聞き出し羅列してみます。その意見を集約してみて、①とか②のような設備や特定の部所が明確にわかれば、①や②の業者に依頼されるといいでしょう。
また、①と②が何種類か明確であれば、①、②の業者を探してそれぞれ手配・調整するという方法もありますが、③の業者であればすべて手配・調整してくれますので、そういった業者に頼むほうがいいでしょう。
そして、最後にどうすればいいのかわからないような場合は、④のリノベーション業者に、家族で話し合い書き出した思いを伝えて提案してもらうことが得策でしょう。
次に、同業として首筋がもぞもぞするようなお話ですが・・・業者の良しあしはどう判断したらいいかを誤解を恐れず書いてみたいと思います。
- 知らない会社の訪問販売は良しあしの判断がつきにくく、地元にいない業者も多いので後々問題が生じたときの対応が若干不安です。
中には、問題が多く発生し都合悪くなると会社名を変えながらのうのうと営業を続けている業者がいると聞いています。 - 見積もりも安い業者だからといって、すぐに飛びつくのは禁物です。厳しい金額だと経費を浮かすために様々な無理をしかねません。
- まずは、何社か選んでその業者さんがされた施工例を聞いたり見学されたりしたらいいと思います。施工例があっても見せてもらえないようなら、ちょっと要注意でしょうか。
- その業者さんのリフォームに対する考え方を聞いてみてください。
粗雑な施工をしていたり、その工事の範囲外に問題があっても知らん顔でふさいでしまったり、お客様が専門的な目で管理できれば別ですが、そうしたによる後々のトラブルを起こす可能性があります。
もっとも、高ければいいってものでもありませんが・・・。
できれば、地元でやっている業者さんを選んであげて下さい。もちろん、厳しい目でじっくり検討して頂く必要はありますが。
そして、既にリフォームされたお施主さんの感想を聞いてみられるといいと思います。(うちのお施主さんだったらどんな感想をいわれるか、ちょっと怖いですけど・・・)
お客さんのいう通りにします・・なんていう業者には、任せないほうがいいと思ってます。しっかりとしたポリシーを持ち、お客様の立場に立って考えているなと思える業者から選んで頂きたいと思います。(お願いになってしまいました)
そんな業者だったら、たとえお客様が好き勝手なことを云われても(すみません)、よくないと思うことであれば、ちゃんと意見をいってくれるはず。
云いたい放題を云ってみてどう返答するか試してみられるという手もあるでしょう。
いずれにしても、これからはしっかりとした理念に基づき襟を正して仕事をしていく業者でないと今後生き残ってはいけないと思うのです。
銀行も企業姿勢を特に社長の考え方を将来性の判断材料にするようになってきました。
お客様の限りある予算をどのように有効に使うかを委ねるには、その業者のひいては社長の考え方が選択する大きな判断材料になる時代がくると確信しています。
見積はどうすればいいの?

数社から見積もりをとりましょう。
さて、いよいよ見積ですが、私どもでもなかなか判断できない場合があるくらい見積内容を検討するのは難しいものです。例えば床の張替え工事を見てみましょう。
工事名 内容 数量 単価 金額
A社 床張替工事 10坪 14,000 140,000
B社 床張替工事 パイン無垢ア15 材工共 根太調整他 10坪 14,300 143,000
↓
※根太のピッチやレベルを調整します。根太若干数は交換するよう見ております。大引・土台・基礎に不具合がある場合、別途見積もりの上対応致します・・・・・・・・
A社の方が金額だけ見れば安いですが、実際A社の見積もりにはどんな床材を張るのか明記がありません。更に、床材の下地をどうするのか何もわかりません。床材は根太という下地材に支えられています。もっといえば土台がどうで、大引はどうかといった構造的に見えない部分が悪ければ、いくら表面の床材を替えてもじき不具合を生じかねません。
下地が悪ければどうしてくれるのか、白蟻の処理は?湿気対策は?等床下の状況をどう判断してアドバイスしてくれるのか、どこまで見積もりに含んでいるのか、見積もりをみただけではわからないことがたくさんあります。
表面的な金額だけに惑わされず、見積の内容を出してきた業者にしっかり確認してみてください。材料は何で見ているのか、工事はどこまでどういう風にするのか、問題がみつかったらどう対応してくれるかなどなど。
特に、見積もりの施工範囲外の問題が見つかり費用が発生する場合、勝手に工事してあとで費用を請求されるといったトラブルもあるようです。不具合が見つかってもそのまま無視して工事されるのも問題ですが、急に見積外の費用を請求されるのも困りものです。不測の事態が発生したときどのように対応するかもしっかり協議しておく必要があります。
たいてい見積もりにはお金はかからないはずですが、念のため見積もってもらう場合に確認しておきましょう。(弊社の場合はかかりませんから、お聞きいただかなくてもご安心を)
気軽に見積をとってまずはどのくらいかかるかを把握し、お客様の予算に照らしてこのくらいなら出来そうだなと思えたら、前述の内容について業者の話を聞きながら十分検討してみて下さい。
お客様の貴重な財産が有効にリフォームに反映できるようになれば幸いです。
さて、リフォームにおけるだいたいの流れを弊社のケースで示してみます。
(リノベーションの場合には、下記リフォーム部分をリノベーションに読み替えて下さい)
Ⅰ.お客様からのご相談
↓
Ⅱ.現地建物調査及びヒアリング
↓
Ⅲ.リフォーム計画案、概算見積提示
↓
Ⅳ.複数案あれば提案を選択、修正事項要望を申入れ
↓ ↑
Ⅴ.修正案、概算見積提示 → 修正必要
↓ OK
Ⅵ.詳細見積作成提示
↓ ↑ 修正必要
Ⅶ.設備や材料の仕様の説明し、修正要望を確認
↓ OK
Ⅷ.最終見積 → NOであれば契約不成立
↓ OK
Ⅸ.リフォームご契約、契約金お預かり
↓
Ⅹ.工事着手
契約に至る前に、申込金(5万円)をお願いする場合があります。
敷地の状況や所有形態の調査、所得証明書の取得など必要な書類等を整える場合に、弊社がお忙しいお客様に代わって取得させて頂きますが、そうした実費費用に充当させていただきます。
契約不成立の場合は、そうした取得物にかかった費用を差し引き、領収書を添付の上残りの申込金は速やかにお返しいたします。
リフォーム工事は住みながらできるの?

できますが、トイレやお風呂などは、仮設を設ける必要があります。
工事中に一番困るのが、設備を伴う工事です。トイレ、お風呂、キッチンが使えない期間が長いと仮設等の検討が必要になってきます。先の①とか②の設備や単体の工事であれば、数日でとりあえずそうした設備の利用復旧が可能ですが、③とか④の総合的な改修の場合、1~2ヶ月程度の工事期間を要する場合には、仮設設備を設けるために別途費用がかかることが少なくありません。弊社では、①~③の施工も当然可能ですが、弊社の理念であるお客様に愛着を持ってお住まいいただける家をご提供いたしたく、④のリノベーションによるご提案を主とさせていただいております。
古民家に関する相談
古民家ってなに?

古民家とは、今から約60年以上前に建てられた住宅のことを指します。
まだ新建材が使われておらず、ほとんどといっていいほど無垢の木がふんだんに使われており、中には今では貴重な木が使われている家もありますが、残念ながらそうした古民家の多くが産業廃棄物として解体され、ゴミとして焼却処分されているのが実態です。そうした貴重な資源財産であることをより多くの人に知っていただき、古民家を後世に残し日本固有の財産として引き継いでいくとともに、蓄積されているCO2の排出を抑え環境に優しい社会を創っていくことが望まれます。
古民家再生ってなに?

貴重な文化財でもある古民家を住みやすくリフォームすることです
古民家を残していくためには、その建物が単なる歴史的な遺産としてではなく、財産としての価値を生み出すものでなければ所有者の負担になるばかりです。利用者のライフスタイルにあった機能性を回復すること・・・すなわち、暖かさ、明るさ、風通し、段差の解消、プライバシーの確保、地震への対策、動線の考慮などなど、現在の生活や利用に合わせた機能をできるだけ回復させた建物に改造していく必要があります。
古民家再生とは、しっかりとした木材を使っている古民家を再び生活しやすくあるいは利用目的に合った建物にしていき、末長く活用していくことで資源を有効に活用しCO2の排出を削減し環境に寄与すること、ではないでしょうか。
もちろん古民家でなくても再生できます。再生手法についてはリノベーションについての相談参照
もう何年も空き家だけど再生できる?

実際の建物を見させてもらった上で判断することになります。
一番の問題は、雨漏れと、湿気の状況です。雨漏れや風通しの不足による構造材等の腐敗状況によっては、家本体の再生が難しい場合があります。ただ、そうした場合でも、まだ使える材料を取り出し、部分的に再生もしくは部材を再生利用して新築した建物などに活かすことは可能です。新築より古民家再生の方が高くつく?

新築同様に内外装とも全体を改装しようとすると割高になります。
確かに古民家再生は新築同様に内外装とも全体を改装しようとすると新築に比べ割高といえるでしょう。いったん床や天井や壁などを解体して、基礎を作ったり、壁量を確保したり、腐食している木材の取替え、大幅な間取り変更など、新たに建てるより多くの工事が必要になるためです。ただ、それを全てしなければ、古民家再生にならないということでもありません。全てをするにこしたことはありませんが、限られた予算で当面の生活をしていくために必要な最低限の工事をめざす方法もあります。
古民家には、長く住み継いできた間に刻まれた家族との思い出がたくさん詰まっています。その古民家にこれからも住み続けていくことを重視される方に、古民家再生をお勧めします。
逆を云えば、再生できたとしても新築するよりは使いづらく費用がかさむということもあるため、その建物に何か特別の想いを見いだすことができないなら、新築するほうが良いということもあります。
お客様の要望に沿いながら、アドバイスをさせて頂き、古民家再生、新築、増築等の手法を柔軟に検討頂き、お客様が一番納得できる方法を見出していって頂くことが大切ではないかと思います。
冬隙間風などが寒いのは何とかなるの?

間取りを含めて考えることによって寒さ対策ができます。
昔の家は、「家のつくりようは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。」これは鎌倉時代の終わり1330年ごろに兼好法師が「徒然草」に書いた日本の気候風土と住まいについての有名な一説です。概ねそうした考えに沿って長らく建てられてきた古民家は、戦後豊かな時代を迎え生活様式の変化とともに我慢する生活から豊かさを享受する生活へと変貌を遂げてきました。
古民家の大きな問題の一つがこの寒さ対策といえるでしょう。
古民家の壁は、竹を格子状に編んだ小舞組に土を絡めた土壁が主ですが、その壁を撤去して断熱材を充填していく方法や、土壁の特徴を残しながら内壁にポリスチレン系板状の断熱材を入れていく方法等で、ある程度の断熱気密を高めることが出来ます。
しかし、二間続きの和室のように4方が障子やふすまで、広縁が全面サッシというパターンが多くありますが、その場合ではいくら断熱サッシを使っても壁の1/10程度の断熱性能しかないので、費用のかかる割にはきわめて断熱をとりにくい空間だといえます。
そんなめったに使わない空間への投資がはたして効果的なのかどうかを考えていただく必要がある場合もあります。
何十年も経った木材で構造的に大丈夫?

木材は定期的なメンテナンス次第では、数百年変わらぬ強度を保てます。
長い年月を経て乾燥した古材(こざい)は、新材に発生しやすい歪みやねじれがほとんどありません。古民家では、木材は大変貴重なもので何度も手を加えながら大切に使われてきました。木材は伐採してから100年~150年が最も強度があると言われ、定期的なメンテナンス次第では、数百年変わらぬ強度を保てます。間取りはどの程度変更可能?

基本的には、どのようにでも変更は可能です。
構造的に取れる空間が制約されていて、まるで自由にというわけにはいきませんが、基本的には、どのようにでも変更は可能です。ただ、経済性も考えながら検討していく上では、ご要望の修正が必要になる場合もでてきます。昔ながらの日本家屋は、体を清めるためのお風呂と不浄の場であるトイレは、おのずと離れた場所になっていましたが、現代のライフスタイルでは水回りはまとめて近くにあった方が便利であり、断熱もとりやすいので、そういった生活の質をいかに向上させるかを考えることが大切だと思っています。

